散随202201

某日

新木場ageHaを見納めに向かう。直前まであまり行く気がなかったが、あのメンバーで、あの規模のパーティを今後の人生で体験できる機会はもうないかもしれないと思ったときにはスマホの画面に電子チケットが表示されていた。それぞれが自由で、それでいて一つの群なような空間が心地よかった。個人的に、満を持して、念願叶って見ることができたアリムラことin the blue shirtのLIVEセットが印象的であった。出演者、客、ブースに遊びに来ていた関係者、撮影・音響スタッフに至るまで、その場にいた誰もが笑顔で揺れ、踊っている。ただ多幸感のみであった。

「ダンスは続いてる」

某日

泊りがけの勤務後、スムーズに昼勤に移行した勢いのまま打ち合わせで外勤。時勢としてはギリギリアウト感があるが、代わりが掃いて捨てるほどいる下っ端の健康上のリスクと、組織間のコミュニケーションエラーが起きたときのリスクを天秤にかけると強行も妥当ですね、といったところ。相手先の担当者とお互い世知辛いですねぇなどと軽口をはさみつつ無事に終了。帰り際、リアカー付き自転車といった趣の宅配業者を見かけた。荷台に貼られたチラシに「めちゃくちゃ安い宅配便!」と「正社員募集!」の文句が共存していて、給料もめちゃくちゃ安そうだな、と軽率に思ったが、安く使われているのは自分の方か。

某日

年が明けて初めての声優イベント。会場に着いて目に飛び込んできたのはむき出しの配線、普通に話し声が聞こえる程に近いスタッフ席、客席最前列の間に座り込みカンペを出すAD、等々。今まで経験した最高値を軽く跨いて越えていく手作り感に謎の緊張が走ったが、蓋を開けてみれば手作り感そのままにアットホームな時間で、期待値以上の楽しさがあったように思う。荷物を小さくしようとウエストポーチで向かった結果、キツめに発光する発泡スチロールの棒を2本、素手で持ち帰る羽目になったのだけが解せない。

某日

ふと鼻毛が伸びているなと引っ張ると、膝くらいの長さの全貌が露わになる、という夢を見た。起きて鏡に向かうと、それなりに伸びてはいた。

某日

イベントで横浜へ。いくらか時間があったのでふらふらと歩いているうちに、随分前に一度だけ観光に来たときを思い出した。当時の記憶をたどるように同じ道を歩き、同じ店の同じメニューを食べた。単品+飲み物を頼もうとしてセットメニューに気づいて変更する、という頼み方まで当時と同じであったことに気づいたときには可笑しさと成長のなさとで複雑な心持ちであった。記憶探しの果てには泊まったホテルの浴室に気合の入ったシャワーヘッドがいかめしく備え付けられていたことなど、今まで忘れていたことが不気味に思えるほどに些細なことまで思い出し、随分と懐かしい気持ちになった。桜木町西口付近にあったと記憶している餃子の王将ドン・キホーテが見当たらなかったのが寂しい。

某日

外出の帰り際、駅のトイレに入ると、後からバチバチに酔っ払ったおっさんがやってきた。他にも空いている便器はあるのにまっすぐ僕の隣に来たので身構えたが、酔ったおっさんは入り口から一番近い便器を選んだだけのようだ。フラフラと立ち位置が定まらないまま致す体制に入ったおっさんが言い放った「う〜〜い^」はテレビでしか見たことのない、テレビで見たそのままの立ち振る舞いであった。感動を覚えたのも束の間、次に繰り出された「ち○こ!!!!!!」のあまりの勢いに吹き出してしまった。命からがらその場を抜け出しホームに逃げたが意気揚々と再登場したおっさん。流石にホームでは大人しくするか・・・?と様子を伺おうとした次の瞬間の「ち○ぽ!!!!!!!!」で無事ノックアウト。